農地転用ってなに?手続きの流れや注意点などをわかりやすく解説!

2024.8.24 更新

 

農地は、私たちが食べるお米や野菜を作る大切な場所です。

そのため、むやみにその用途を変えてしまうことは、農地法という法律で制限されています。

 

しかし、農地法の手続きをすることによって、農地を住宅や工場などの他の用途に利用することができます。

このことを農地転用といいます。

 

ここでは、農地転用の基本的な事項について、わかりやすくご案内していきます。

 

1.農地転用とは?

転用または農地転用とは、農地を農地以外のものにすることです。

 

土地は、所有者が自由に利用することができます。

しかし、農地は農業の基盤であり、食料を安定的に供給するための大切な資源です。

そのため、農地がむやみに減ってしまうと、大きな影響が出てしまう可能性があります。

 

そこで、農地を転用する際には、事前に審査が行われ、許可を受けなければすることができないように規制されています。

※農業施設のために農地を転用するときは、許可が不要な場合があります。

2.農地法第4条と農地法第5条の違い

農地転用には、大きく分けて以下の2つの種類があります。

 

農地法第4条に基づく農地転用は、自分が所有する農地を別の用途に使うことです。

例)自分が所有する畑に住宅を建築する。自分が所有する畑を駐車場にする。

※採草放牧地は農地法第4条の対象にはなっていないので、自分が所有する採草放牧地に住宅を建築する場合、許可は必要ありません。

 

農地法第5条に基づく農地転用は、自分が所有する農地を他人に売ったり貸したりして、その人が別の用途に使うことです。

例)開発業者が農地所有者から農地を購入して宅地開発をする。建設会社が農地所有者から農地を借りて資材置場にする。

3.農地転用の手続き

3-1.市街化調整区域での農地転用

農地転用をするためには、原則、許可が必要であることから、市街化調整区域内で農地転用するためには許可が必要です。

 

許可申請は、当該農地がある市町村の農業委員会に対して行いますが、許可をするのは都道府県などです。

市町村の農業委員会は申請を受付け、意見を付けて都道府県に送り、都道府県は意見を踏まえて許可・不許可の判断をします。

3-2.市街化区域での農地転用

農地転用をするためには、原則、許可が必要ですが、市街化区域は例外にあたります。

 

よって、市街化区域内で農地転用するためには許可は不要ですが、届出をする必要があります。

届出は、当該農地がある市町村の農業委員会に対して行います。

農地転用の手続きの流れ
農地転用の手続きの流れ

3-3.単独でできる農地転用

農地法第4条の許可申請は、農地所有者が行います。

 

一方、農地法第5条の許可申請は、農地所有者と農地を購入する人(または借りる人)が共同で申請を行います。

 

しかし、農地法第5条の許可申請であっても、単独で行うことができる場合があります。

それは下記の場合です。

  • 競売・公売の場合
  • 遺贈(※特定遺贈)の場合
  • 判決の確定などの場合

※特定遺贈とは、特定の遺産(ここでは当該農地)が、所有者が亡くなったことによって他人に贈られることです。

3‐4.申請に必要な書類

農地法第4条の許可申請、農地法第5条の許可申請ともに、次の書類が必要となります。

必要種類 説明
申請書 農業委員会で様式をもらってください。
土地の登記事項証明書 法務局で取得してください。
公図の写し 法務局で取得してください。
案内図  
資金計画書  
残高証明書または通帳の写し  
見積書  
法人の登記事項証明書 申請者が法人の場合。法務局で取得してください。
定款の写し 申請者が法人の場合。
土地改良区の意見書 当該地が土地改良区内のとき。
農振除外の証明書 当該地が農振農用地区域内農地に該当するとき。
当該地に権利を有する者の同意書 当該地に抵当権や仮登記が設定されているとき。
他法令の許可に関する書類 農地法以外の法令が関係するとき。
土地利用計画図  
建物の平面図・立面図 建物を建築するとき。
理由書  
土地選定理由書  
事業計画書  
その他の書類 転用理由によって様々な書類が必要。

申請で必要な書類は、それぞれの自治体の農業委員会で必ず事前に確認をしてください。

3‐5.許可までの期間

農業委員会で申請してから、許可書を受領するまで、おおむね40日かかります。

 

ただし、それぞれの自治体で若干の違いはあるため、気になる方は農業委員会に確認をしてください。

3‐6.手続きにかかる費用

農地転用の手続き自体は、無料です。

 

ただし、申請に必要な書類を取得する費用、農業委員会の窓口を訪れる費用はかかります。

4.まとめ

農地転用の基本的な事項をご案内しましたが、下記の表にもまとめています。

  農地法第4条 農地法第5条
内容  農地以外の用途 売買・貸借+農地以外の用途
市街化調整区域 許可
市街化区域 届出
申請者 所有者 所有者と購入者・借入者の共同
許可までの期間 おおむね40日
手続きの費用 無料

農地転用許可の基準に[転用許可基準]のページもご覧いただき、農地転用をご検討の際は参考としてください。

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